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味わいTASTE
冬に採れる柚子で春の御菓子を作ったのは、雪深い北陸の春を待ち焦がれる心情を表しています。それ故、新春の初釜や春のお茶席に振り出しに入れてお使いいただいています。
地元では親しみを込め「なたねとう」と呼ばれています。
福井名産のもち米と柚子を選りすぐって使用し、時間と手間を惜しみなく費やした、心づくしの逸品です。当店謹製の歴史ある菜花糖をご賞味ください。
菜花糖の原料である、柚子の果皮は壺の中で砂糖にじっくりと漬け込み、3年以上寝かせることで、柚子のえぐみなどが取れ、優しい味わいになります。1年以上寝かせたもち米を籾殻ごと煎った餅米(はぜ)から籾殻を取り除きます。その作業に7~10日、乾燥させていくのに10~14日、完成するまで約1ヶ月かかっております。すべて手作業でしか作ることができない逸品です。
菜花糖の創製は江戸時代中期。
旧鯖江藩主の贈答菓に指定され、又、代々藩主の茶会の常用として愛されました。煎った餅米(はぜ)に当時領内の河内地区の各家々で産した柚子の皮を香味の素材として用い、さらに砂糖をまぶし献上したのが本菓であると聞き及んでおります。
昭和8年 昭和天皇が北陸陸軍のご視察に来県される時に、当店の鯖江区長様と鯖江本山 誠照寺管長 二條様の両名に菜花糖を献上したいとのご依頼を受けました。
その当時の店主小石川一雷が二條様からのご依頼を承りました。そして、本山内に謹製所を設け、謹製所の外で行水にて身を清め、白装束に身を包んでから謹製所内に入り菜花糖を作り御奉納いたしました。その後、宮内省からあらためて菜花糖のご注文を頂き御奉納いたしました。
その時、代金は県や町に全額寄付をしたと伺っております。当時の新聞記事も残っています。
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